[ルポ]「100分で洗濯機もさっさと」・・・中小企業のスマート工場、サムスンで学ぶ

  • 中小企業の代表500人、サムスン電子の光州「グリーンシティ」スマート工場探訪

  • 自動化・標準化→人材・生産時間・不良率の減少

  • 「ベンチマーキングでスマート化の推進方向性をつかみ」

[写真=サムスン電子提供(12日、サムスン電子「グリーンシティ」を訪問した中小企業代表らがICT基盤システムが適用された最先端スマート工場の「精密金型開発センター」を見学している)]


12日に訪れたサムスン電子の光州「グリーンシティ」精密金型開発センターは、昼食の時間を過ぎても 閑散とした。国内最高水準のスマート工場の高度化現場の姿は、物寂しいほどだった。理由は、あまりにも静かな作業現場だったからだ。

通常の工場で聞こえたあちこちの機械音と現場のスタッフは目にすることができないくらいだった。目立った人たちさえ大きな動きなしで自動化システムの操作業務だけに熱中した。6000あまりの部品が使用されている現場で荷物を運ぶために奔走した職員もいなかった。必要な部品を装置に入力して、LGV(Laser Guide Vehicle・自動運搬装置)の配送を待てばよかった。標準化・自動化により、単純な繰り返し作業を機械に置き換え、現場の職員数を最小化した未来の革新製造現場の一断面であった。

生活家電を生産するサムスン電子のスマート工場を探訪するために、この日、光州広域市を訪れた中小企業の代表だけで500人を超えた。スマート工場導入を控えている中小企業が大企業の技術革新製造現場を直接体験し、ベンチマーキングできるように支援しようという目的で設けられた席だった。過去にもいくつかの中小企業がサムスン電子の工場を訪問したことはあったが、大規模な体験団を構成して現場体験や教育を実施したのは今回が初めてだ。

サムスン電子精密金型開発センターは、約2万6000m²(8000坪)規模の空間をわずか250人が統制した。このうち120人は、金型の設計作業を担い、加工や組立には60人余りだけか投入された。人がいなくても24時間稼働可能なこの工場は、2020年までに人工知能の設計など高度化作業を終えたら投入人員を180人に減らすことができる。残りの人材は再びスマート工場の高度化のためのR&D分野に投入される予定だ。

金型工場の核心は3Dデータである。すべての操作は3Dデータに基づいた設計やスケッチ→加工機械でデータ転送→精密加工→量産の過程を経る。現場では紙の図面が要らない。さらに、加工装備制御システム、 加工装備モニタリング、工場抗温抗湿制御などなど統合管制システムが現場の管理者を減らす一番の貢献者の役割をする。

サムスン電子のチェ・ソンウクスマート実行チーム常務は「金型作業の中核は金型設計の標準化・自動化だ。この作業がきちんと行われなければ生産時間が長くなり、平均15%のロスが発生する。スマート工場では1%未満の不良率を維持している」とし、「他の工場で45日がかかる作業を15日で終わらせる。2020年には9日に減らすことが目標」と説明した。

精密金型開発センターから車で3分の距離にある洗濯機の製造工場は、モジュール生産方式(MPS)が充実していた。MPSはコンベアベルトを中心に縦横2mのワークスペースで一人の職員が一つの生産工程を担当するシステムだ。製造過程中に問題が発生しても、その従業員を除いた他のコンベアベルトは正常に戻り、生産効率を大幅に高めることができる。

すべての加工・組立工程を自動化することはできなかったが、人がしにく作業はロボットの操作に置き換えている。過去700mに達したコンベアベルトの長さは、MTS導入後、画期的に減って作業時間も200分から100分に短縮された。ここでは洗濯機で洗濯物を一回回す時間に製品一台を生産しているわけだ。

ベンチマーキング教育を受けた大輪産業のイ・ジュヒョプ代表は「サムスン電子の光州事業場ベンチマーキングは、先進化されたスマート工場を直接見た貴重な機会だった。スマート工場を構築すると、製品の生産と在庫の効率的な管理が可能で、コスト削減に役立つだろう」とし、「推進方向設定から資金不足、システム運用の負担などを悩む企業に大きく役に立つと思う」と所感を伝えた。(光州)=シン・ボフン記者


 
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