[チョン・ユシンのコラム] 中国の経済規模、米国を追い抜くことができるだろうか

[写真・筆者=チョン・ユシン教授(西江(ソガン)大学技術経営大学院長兼フィンテック支援センター長)]

中国の経済規模、米国を追い越しすることができるかな? 2016年に続いて2017年、中国の成長率は当初の期待より高い6.8%と推定されている。これによって果たして中国が米国を追い越すことはできるだろうか、また、その時期はいつかに対する市場の関心が高い。

まず、中国の名目国内総生産(GDP)規模がどの程度なのか見てみよう。名目GDPは前年GDPに実質成長率、物価、為替レートなど3つの変数を反映している。中国の2017年の物価上昇率は1.5%、ドルに対する人民元の為替レートは4%以上切り上げられたものと推定される。これを考慮すると、2017年の中国の名目GDPは前年比約1兆ドル以上増加した12兆5000億ドルに上る。

これは世界1位である米国の63%、3位である日本の2.5倍、11位である韓国の12.6倍に至る規模であり、2017年の名目GDPの増加分だけで世界ランキング12位のロシアの名目GDP(1兆2831億ドル)と変わらない。だとすると、中国は果して米国を追いつくことができるだろうか?

第一に、十分可能だという意見だ。10年以上、グローバル市場では中国経済の硬着陸可能性に対する警告が出た。毎年年末年始に中国の軟着陸と中国発危機などが各メディア紙面を数え切れないほど装飾して、書店では「中国経済崩壊論」のような本がベストセラーになったりもした。

しかし、現在の中国経済は危機に陥らず、期待以上の善戦をしている。2000年当時、世界2位だった日本の経済規模の4分の1にもならなかった中国が、10年後である2010年に日本を逆転しており、また、7年後の2017年には日本の2.5倍まで格差を広げた。したがって、今までの傾向、つまり中国が約6.5%、米国が2%成長を持続すると仮定すれば、12年後の2030年には米国と中国の名目GDPがほぼ同水準になるという意見だ。

第二に、決して容易ではないという意見も少なくない。要約すれば、中国は2008年のリーマン・ショック以後、大々的な投資(3年間4兆人民元)で高成長を遂げたため、その過程で発生した生産設備過剰、投資効率の下落、企業負債の増加など、不安要因が累積されている。特に、企業の負債はGDP比163%で、日本のバブル時代のピーク(1989年)の時である132%よりはるかに高く、外部のショックが発生すれ場合、成長率が急落して悪循環しかねないということだ。

筆者は時期は予測しづらいが、中国が米国に追い付き、追い越すことができると考えている。 特に、少し違う角度からみると、中国が十分米国を追い越すこともできると見ている。中国がデジタルG1を目標としているためだ。

ご存知のように今は経済構造がアナログからデジタルへ変わる時点だ。アナログ市場で従来の秩序を壊し、新しい候補が覇権を握ることは不可能に近い。しかし、新しい世界秩序が作られた時は覇権の変化が可能である。

中国は米国よりアナログ市場ではるかに遅れており、デジタル市場でも後発走者だが、産業の流れを正確に読んで市場をデジタルに急速に統合している。 例えば、デジタルを代弁するO2O(Online to Offline)ビジネスと共有経済(Shared Economy)の成長速度はすごい。 調査によると最近中国O2O市場の成長の勢いは爆発的だ。 2012年987億人民元(約17兆7000億ウォン)から2015年には4189億人民元(約75兆4000億ウォン)に年平均62%ずつ成長した。

遊休資産をインターネット、モバイルで繋げて効率性を高めようという共有経済も急成長を見せている。中国国家情報センターによると、中国の共有の経済市場は2011~2015年の年平均65%の早い成長で、2015年基準で約1兆9500億人民元(約350兆ウォン)規模に肉迫した。 共有経済サービス従事者も約5000万人で労働人口の全体の5.5%、共有経済の利用人口は5億人(総人口の37%)に達するといわれる。市場規模だけを見ると、すでに米国を乗り越えたという分析も出ている。

どうして巨大恐竜である中国がこのように革命的に変わることができるだろうか。第一に、専門家らは先にモバイルの拡散で手のひらのモバイルプラットフォーム、つまり仮想のデジタル市場を持っている人口が急増したためだといわれる。現在、中国モバイルの人口は世界最大の約7億名に達する。

第二、中国政府のインターネットプラス政策もインターネットと既存産業を連結することにより、インターネット、モバイルプラットフォーム市場を作るのに大きく支えられたという評価だ。特に、モバイルプラットフォーム市場拡大が自然にモバイル決済の増加につながった。

第三に、皮肉なことだが中国経済の後進性や不便さがかえって新たな技術革新を積極的に受け入れるきっかけになった。たとえば、中国は2000年代に電話がある家庭が多くなかった。電話がない不便さのため、かえって携帯電話が出るやいなや、老若男女みんな熱狂した。また、中国都市郊外や農村には商店があまり目立たない。それだけショッピングが難しいという意味だ。この不便さが電子商取引を発達させ、さらに、金融と結合したデジタルプラットフォームの急成長に連結されたという分析だ。

とにかく、このように中国がデジタル市場に勝負をかけ、デジタルG1になるとどうなるだろうか。今は全世界がアナログ80%、デジタル20%でアナログ中心だが、時間が経つほどデジタルの比重が大きくなるものと見ている。個人的には今後10年でデジタルが半分を優に超えるだろうと予想する。したがって、デジタルG1が全世界G1になる環境に変わっているわけだ。

私たちはどうすればいいのか。米中間の競争が本格化している今、私たちはその間で軍事・外交的だけでなく経済的にも板ばさみ状態になっている。より徹底した対応策作りが急がれる時点だ。
 
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