[チョン・ビョンソのコラム] 習近平の"新時代(新时代)"は一体何か?

[写真=チョン・ビョンソ招聘論説委員・中国経済金融研究所長]


中国の第19回党大会が開かれた。観戦ポイントは習近平政権2期5年を開く核心キーワードは何であり、党大会の閉幕直後に開かれる第19期中央委員会第1回総会(1中総会)で、誰が常務委員に入常 (常務委員会入り)するのかだ。

18日、人民大会堂で開かれた開幕式では習近平主席が一番先に出て、次に江沢民主席が登場し、その後、胡錦濤主席が入場した。李克強首相の社会で始まった党大会で習近平主席は68ページにわたる原稿を中心でなんと3時間半にわたる演説を行い、39回の拍手を受けた。

"初心を忘れない"という「不忘初心」の言葉から演説を始めた習近平主席は、"偉大な中華民族の復興"という言葉で演説を終え、政権2期目の政府の新しいキーワードと"新時代"を言及した。新時代には"新思想、新目標、新長程 (新しい行路)"があるということだ。

中国がみる新時代は5つである。
"中国特色の社会主義"が資本主義に勝利する時代がきており、中進国水準の"小康社会"建設の時代がきている。また、国民が一緒に豊かになる共同富裕の時代が到来し、全世界中華民族の団結を通じた中華民族復興の時代がきており、中国がこれまでに成し遂げた成果を土台に、世界人類に貢献する時代がきたということだ。

習近平主席の演説で最初に注目すべきものは、このような時代に中国には新しい思想が必要ということだ。中国の最初の跳躍は毛沢東思想を通したものであり、二番目の跳躍はトウ小平思想と江沢民の3つの代表論、胡錦濤の科学的発展観を通じて成立したということだ。

しかし、新時代を迎えて新しい思想と目標が必要だというのが習近平演説の核心だ。三番目の跳躍は、中国の当面課題である民主、法治、公平、公正、安全、環境問題などで物質文明と精神文明間の矛盾を解決し、中国が世界人類を向けた貢献をする偉大な国になるためには、新思想を通じてこそ可能であるということだ。これを社会主義精神である"マルクス主義の中国化"を通じて実現ということであり、これが習近平の新思想だ。

この意味は中国がこれまで78年以降、資本主義経済を導入して実施した"中国の特色のある社会主義市場経済"が重要な転換点に到達したということだ。すでに経済規模でG2になるほど強くなった中国が、その自信で78年以降40数年間、西側諸国から借りてきたアダム・スミスを捨ててマルクスを再び呼んで来るということだ。

習近平2期時代に中国は、これからは"資本主義経済の追従"ではなく、"マルクスの社会主義"に戻るというものだ。これは社会主義を通じて資本主義と競争するという意味だ。そして、その方式は"中国特色の社会主義"すなわち、習近平式表現では"マルクス主義の中国化"を通じて実現するということだ。

今回の習近平の演説で二番目に注目しないといけないのは、中国の二つの100年の目標(两个一百年计划)に対する新たなアプローチだ。中国は2020年の共産党創党100周年、2050年の中国建国100周年に到達するという二つの目標がある。西側諸国式で表現すると、中進国建設である"小康社会"の建設と先進国建設である"社会主義の現代国家"の建設だ。

中国は5年に1度の党大会を開く。2017年に開かれた第19期と2022年に開かれる第20期党大会の間に、中国初の100年の目標を達成しなければならない重要な時期が挟まれている。

最初の小康社会の到達である2020年の数値目標は2010年GDPと1人当たり仮処分所得の2倍を達成することだが、既にGDPは2016年に85%を達成し、現在のような6~7%の大成長なら2018年には目標に到達する見通しだ。1人当りの仮処分所得も2016年にすでに90%を達成し、2017年末には目標を超過する見通しだ。なので、"最初の100年の目標"は2020年前に到達する見通しだ。

今回の習近平主席の演説で重要なのは"二番目の100年の目標"である2050年の目標に対する修正だ。100年の目標ではなく、"二つの50年目標"に修正し、残った30年余りをまた二段階に分けたのだ。2020年から2035年までを第1段階とし、小康社会を基盤として15年間"社会主義の現代化"を達成し、2035年から2050年までを第2段階の15年間とし、社会主義現代化の基盤の上で"社会主義の現代化強国"を建設するというのだ。

今回の党大会で、中国はもう2020年の目標ではなく、2050年の50年の新しい目標を具体的に提示したという点が特筆すべき点である。"社会主義の現代化強国"は富強な民主、文明、調和(和谐)、美麗(美丽)した社会主義強国を作るというのだ。民主文明の統治体系の上に、経済、政治、文化、社会、生態文明の建設を完成することだ。

今回の党大会を通じ、習近平が毛沢東時代に戻るのではないかという西側の疑問があるが、習近平主席の演説文にその答えがある。習近平主席の今回の演説で話したいのは"中国の先進国化"に"偉大な中華民族の復興"を加えるということだ。

今、習近平第2期時代は社会主義の優秀性が資本主義を克服する優秀なシステムであることを証明する時代であり、そこに強力なリーダーシップが必要なため、習近平という人物を強いリーダーに作ってあげなければならないという歴史的当為性をアピールしようとする意図が強く見られる。

習近平主席の68ページの長い報告書には図表が全くない。そのため、表意文字である中国文はその背景を解釈すること本当に難しい。中国が開放改革と市場経済に全力をしたが、もう習近平第2期をきっかけにこれは資本主義の追従ではなく、社会主義にまた戻るということが重要なポイントだ。 それに、いまや社会主義に戻るぐらいではなく、資本主義を超えということだ。

だから、中国は今まで行ったことのない新しい道を行くという意味の"新時代、新思想、新目標、新長程 "だ。習近平第2期政権期間の未来5年、習近平が提示した4つの"新"が入るキーワードが中国を変え、韓国に大きな影響を与えかねない。

しかし、これを実現して到達する"新しい方法"が何なのかは言及がない。その新しい方法は12月の経済工作会議、来年3月の両会議、来年10月の第3中全会を通じて具体化される見通しだ。そのため、党大会以後の今後開かれる中国の重要会議をよく観察する必要がある。
 
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